和歌山県御坊市塩屋町南塩屋の尾ノ崎遺跡。関西電力御坊発電所の近くにあります。
尾ノ崎遺跡
この遺跡は関西電力株式会社が尾ノ崎地先に御坊火力発電所の建設を計画したのに際して、昭和53・54年度にかけて発掘調査を行いました。遺跡が所在する
尾ノ崎は海に細長く突き出た標高11~16mの河岸段丘で、調査の結果、弥生時代末~古墳時代初頭にかけての竪穴住居2軒・竪穴4基・溝・溝状遺構・円形
土壙1基、古墳時代前期(約1600年前)の方形周溝墓18基、土壙墓1基、古墳時代後期(約1400年前)の横穴
式石室1基さらに時期が下がった平安時代か中世と思われる円形集溝遺構・柱穴、そして近世以降の建物跡・柵・溝・ピット群を発見しました。また遺構は確認
されなかったが、剝片石器・石核などの旧石器、縄文時代早晩期の土器・石鏃・石錘・石錐・石棒片、あるいは弥生時代前期・中期・の土器・石鏃・石錘などの
遺物も出土し、尾ノ崎遺跡は旧石器時代にはじまり歴史時代につづく複合遺跡であることが明らかとなりました。
特に、一群でまとまって検出された方形周溝墓は歴史的に貴重な内容を有し、その重要性から関西電力株式会社は特別の配慮を行い、先端部の11基(1~11号)を工事中に保存し、昭和58年にはその復元整備を実施いたしました。
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