2013年3月23日土曜日

岩内1号墳

和歌山県御坊市岩内にある岩内1号墳


和歌山県指定文化財(史跡)
岩内1号墳(岩内古墳群) 【昭和54年6月9日指定】

 岩内1号墳は、横穴式石室を持ち、墳丘に沿って北・東・西の三編に周溝をめぐらした一辺の最長が19.3mの方墳で、7世紀中頃以降に造営された県内でも数少ない終末期古墳の一つです。
 昭和24年(1949)年の発掘調査で、漆塗木棺、銀線蛭巻太刀1振、六花形の棺飾金具などが石室内で発見され、昭和54(1979)年度の調査では、版築(年度を突き固める)という技法で墳丘の盛土が造営されていることや被葬者を安置した床面が7世紀後半頃に作り直されていることなどがわかりました。
 昭和57(1982)年度に石室・墳丘を現状のように復元し、史跡としての環境整備を行いました。
 被葬者は、木棺に棺飾金具や全国的にも数少ない漆塗の装飾がされていること、副葬品(銀線蛭巻太刀)・造営の技法(版築)などから大変位の高い人物であったと考えられています。その候補の一人として、658年蘇我赤兄の謀略あるいは中大兄皇子(のちの天智天皇)の陰謀によって、紀伊の牟婁温湯(今の白浜温泉)に滞在中の中大兄皇子のもとに謀反の罪で連行され、処刑された悲劇の皇子「有間皇子」(640~658年)があげられています。

和歌山県教育委員会
御坊市教育委員会



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